もののおねだんのはなし。

日本てホントに物価が安い。
正しく表現するならば内容に対して価格が安い。
海外でいう物価が安いは値段なり。
日本もかつてはそうだったかもしれないけど、本当に今は内容に対して安すぎる。
海外の商品は安くて美味しい♪ってブームみたいのもかつてあったけど、日本ほど安くて安定して美味しくて安全に作られてる国はないと思います。

普通にスーパーに並んでるような量販されるもののクオリティがものすごく高いです。
お菓子とか食べ物類がとくにそう。
美味しいのに安いものばっかり。
商品のサイクル早いから季節ものなんてすぐに値崩れするし。
そういう恩恵に預かって生活してるのでなんとも言えないんだけど、ホント企業はしんどいですよ。
量販店に並んでる商品でメーカーでちゃんと利益が出てるものって全体で並んでいる商品のなかで3割もないんじゃないかな?
食品関係の大企業は国内では全く利益が出ないから海外で利益を出していたりします。
そういう展開が出来ないサイズの企業はどんどん消えてる。

自分はいわゆるそういうスーパーとかで売られているものの包装に関わる部分にいます。
最近インターネット上で「原料の原価がいくらになのに売値がいくらでぼったくりだろ」って言ってる人とがいるけど、真っ当な金額でぼったくりだろって言ってる人見たことないんですけどね。
製造業に携わってなきゃ確かに原価の構成なんて見ることはないだろうけど、それにしたって悲しいなと思います。
包装の部分のお金って本当に考えてもらえないから。
商品原価において輸送費もすごく大きいウエイトを占めてるんだけど、それも結構包装と関わりが大きいもの。
包装がかさばるとその分輸送費が高くなる。1度に沢山輸送できれば輸送費が安くなる。
包装の重さとか重ね方とか破損しにくさとか実はすごーーく考えられていたりします。
百貨店で売られているようなものであればパッケージにお金がかかってるなって感じてもらうことはあるだろうけど、その辺に売られているものだって全部ちゃんとパッケージ作られているんですよ。
日本の商品は本当にこれでもかっていうぐらい便利に箱なら必ず開封用のミシン目が入っていて、潰すときのミシン目や折り線も入っていて、袋であれば切り口がついていたりチャックがついていたり、どこからでも開封しやすいようにしてあったり冷凍できたりレンジにかけられたりっていうのが当たり前にしてある。
どれにだって取り扱いの説明が書いてあって、ケガをしないように沢山の注意書きがされていて。
ずーっと昔からある商品でも、ちょっとずつちょっとずつ改良されてる。
そういう1つの改良の為に、たくさんの試作をするためにたくさんのデザインをする前にたくさんの案を考えるためにたくさんの調査をしたりしています。
でも包装が改良されたからといって販売価格の値上げってしてもらえないでしょう。
店頭で「パッケージが使いやすくなったから値上がりました」って許されない。
小麦類の値段があがるのと同じように包装資材も値上がりをしていても許されない。
開発で調査をしても、「必要不可欠なものじゃなければ多少不便でも安い方を買う」が多い。
これが量販のものじゃなくなると少し違うんだけどね。

スーパーの店頭を見て全体的につまんねぇ売り場だなぁってところは、大体もうメーカーが包装の部分を考える余裕がない分野です。
いつの間にかプライベートブランドだけしか並ばなくなっていたりするのはお話にならなくなった分野です。
そのうちに量産するのはごくごく一部の大企業だけで、あとはどんどん企業が消えていって、選択肢がなくなっていって、個人商店規模のお店が増える。
選びたい人はお金を出して手間をかけて選ぶ。
店頭にすごく選択肢があって安定した品質で安い時代は終わるだろうなぁ。

ちょー身近な商品だって、中身も外身も実はすごく考えて作られているものがほとんどで、ひとつひとつに手間がかかってたりするのをちょっと感じてもらえたら嬉しいなってことを言いたいだけのお話でした。
メーカーに感謝してね!!!